メッセージ|アートデザインラボから保護者の皆様へ
Message
アートデザインラボからのメッセージ
根っこになる「気持ち」や
「問い」を育てる場所を
選択肢が広がる習い事
ここ数年、子どもの習い事の選択肢の幅は大きく広がりました。STEAM教育への関心の高まりから、サイエンス教室や探究型学習塾など実に多彩で魅力的な教室が数多く展開されています。私自身、小学生の長男を子育て中にプログラミング教育の必修化が実施され、街にプログラミング教室が乱立した時「算数が得意ではない息子に習わせないと、授業で取り残されるのでは?」と悩んだ時期がありました。
習い事は単なるツール、本当に大切なことは?
しかし、ある時「プログラミングは単なるツールに過ぎない」と気がつきました。「自分だけのゲームを作りたい」という気持ちがあってこそ技術が活きてくるのであって、それ自体はただの夢を叶える道具の1つです。親の焦りからその技術を習わせたとしても、苦手意識を芽生えさせるだけだと痛感しました。一番大切なのは「これが好き」という気持ち、「〇〇をやるにはどうしたらいいんだろう?」という、純粋な「問い」を見つけて育てることだと考えています。
「好奇心を枯れさせない」体験で、夢を実現する
これだけ多彩な習い事が世に溢れていても、その問いを育てる場所、というのは案外見つかりません。だったら作ろう!ということで誕生したのがアートデザインラボです。自然と湧き上がる子どもの好奇心に伴走し枯れさせないこと、表現することを幼児期から積み重ね、イメージを形にしていく体験は、夢を実現させる力に繋がっている、と私達は信じ、「問いを育てるメソッド」として大切にしています。

アートデザインラボ代表 平野 聡子
プロデューサー・プランナー・臨床美術士。広告制作会社で映像ディレクターを経て、クリエイティブブランドbabytoiを立ち上げる。2019年よりスクール事業「アートデザインラボ」を運営。スクールで培ったカリキュラムやノウハウを活かしたクリエイティブ活用を、外部企業と共に広めています。 こどもたちが自由に表現できる・力を発揮できるミライを作ります。主なプロジェクト:baby rattle bab bab 第8回 2010 東京インタラクティブ・アド・アワード アプリケーション部門ブロンズ/第18回 2024 キッズデザイン賞 キッズデザイン協議会会長賞
ある日の、アートデザインラボ。
私たちファシリテーターは
いつも子どもたちに、ワクワクをもらっている。
入り口付近の作業スペースからMちゃんの声が聞こえてきた。「小学生になっても、中学生になっても、高校生になっても、大人になっても一生通うね!」乳歯が抜けて隙間がぽっかりできた前歯を見せて笑いながら、誰かに話しかけている。Mちゃんの作品は「テーマパーク」だ。それも実際に遊べる、巨大なやつ。今は大きな段ボール箱を使って券売機を作っている。中にはMちゃんがコッソリ入って、手動でチケットを発券したり、お釣りを出したりするという。人力券売機はしゃべるし、動くし「何かと最強」らしい。
隣を見ると、Aくんが黙々と発泡スチロール彫刻を作っている。グルーガンで接着して積んではスプレーで色を塗り、また積んでいく。その繰り返し。Aくんの真剣なまなざしを見ていると「サグラダ・ファミリアみたいにあと300年かかる」と言われても納得させられてしまいそうだ。
少し離れたところから、犬が大好きなTちゃんが、その発泡スチロール彫刻をじっと見ていた。Tちゃんは、犬のぬいぐるみ、犬のお家、犬のホテル、犬の庭付き豪邸など、愛情たっぷりの「犬4部作」を完成させた犬博士。あの発泡スチロールも「犬の何か」に使えないか、じっと考えているのかもしれない。
テーブルの上に撮影セットを組んでいるのはPちゃん。3匹のクマを主人公にしたアニメーション動画を、ストップモーションスタジオというアプリで作っている。今、撮っているのは、クマたちが森で拾ったどんぐりでクッキーを作るクッキングシーン。1コマずつ動かして撮影するPちゃんの横顔は、映画監督そのもの。
入り口の外からドタバタと階段を駆け上がる音が聞こえてくる。カフェチームの子どもたちかな?「ねぇ、今日カフェできる?できる?」と息をはずませながら、100回ぐらい聞いてくるCちゃん。天気が良くて少し時間に余裕のある日限定で屋上にオープンするこどもカフェは、何を飲んでも「おとなは100円、こどもは無料」という太っ腹経営。おかげでカフェはいつも大人気。「売上金は、どうするの?」と聞くと「電気ポットを買いたい」とのこと。冬は、熱いお湯を屋上まで運ぶのが大変らしい。
入り口付近で作業をしていたMちゃんは、カフェチームの登場には目もくれず、顔はずっと作品に向けたまま話し続けていた。「だって、ずっと作りたいものがあるんだもん。まだまだまだまだ、終わらないよ!」帰る時間になってもなかなか手を止めようとしない。常に早口なのは、喋っている時間を少しでも短縮して手を動かしたい!ということなのかもしれない。生粋のクリエイターだ。
今日もアートデザインラボでは、アーティストたちが思い思いの創作活動をしている。みんなの興味は、まるで成長を止めない植物の蔓のように、あちこちにどんどん伸びていく。時に絡まり、時に色とりどりのふしぎな花を咲かせながら。

アーティストたちのものづくりは続く。
だけど、ものづくりというのは、やり始めると実は試練の連続だったりもする。
まっすぐ線がひけない、思った色がでない、素材が硬すぎて切れない、何度やってもくっつかない、縫い目がすぐほどける、グルーガンが熱すぎる、レシピ通り調合しても固まらない、実行しても動かない、パソコンがフリーズする、データが消える…。
先に何が待ち受けているかわからない、けれど勇気を持って、一歩をふみだす。
その一歩を応援したり、倒れないように支えたりするのは、私たちファシリテーターの役割だ。高校生になったとき、大人になったとき、もしかしたら君はもう、ここにはいないかもしれない。この場所のことも、いつか忘れてしまうかもしれない。
だけど、私たちは今日も「まだまだまだまだ終わらない」子どもたちの好奇心の旅を支える。
ここにいるひとりひとりが
「あの時あの瞬間は、本当にやりたいことを夢中で100%やり切った」
と胸を張って言えるように。

